この場合の「奨学金」とは名ばかりで、事実上「学資ローン」のことである。返済の義務がないものが本来の奨学金である。学資ローンの返済義務が重くのしかかっているのでは、婚姻率や出生率にも影響が出るのは必然だろう。この川田菜穂子准教授が行った浮気調査では触れられていないが、若夫婦が結婚した後、学資ローンの返済義務が残っていることが判明して生活設計が狂い喧嘩になることがある、という話も聞いたことがある。

民進党の代表選挙で立候補している前原誠司氏が、「消費税を10%に上げて、得られた財源を福祉や教育に充当する」と言っている。本来の奨学金の原資に充当してもらえるのなら、消費税増税もやむを得ないのではないだろうか。

学生時代に借りた奨学金の返済を抱える人たちは子どもが少なく、結婚や持ち家の取得も遅れがちであることが、大分大学の川田菜穂子准教授(住宅政策)らの調査でわかった。主な奨学金の返済期間は最長20年だが、返済の期間が長くなる人ほど、人生設計に大きく影響しているという。